昨今、YouTubeやTikTokなどのSNSの普及により、映像クリエイターの需要が高まっています。
しかし、映像クリエイターの職に就こうと思っても、「具体的に何をすればなれるのか」「どのようなスキルが必要なのか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、映像クリエイターに興味がある方に向けて、仕事内容や未経験からなるには何をすればよいのかをまとめました。
映像クリエイターとは、映像制作にかかわる職種に就くすべての人を指します。
映像クリエイターの職種として代表的なものを挙げると、以下の7種類です。
それぞれ制作工程ごとに異なる役割を担っています。
CGクリエイターになるための方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
また、映像クリエイターは、目的が何であれ、人の心を動かすことが求められます。
制作した映像に対し、視聴者から「繰り返し見ている」「つい買ってしまった」「落ち込んでいたけど、元気が出てきた」といった声が挙がることは、映像クリエイターの醍醐味の1つでしょう。
次に、映像クリエイターはどのようなところで使われる映像を制作するのか、解説します。
映像クリエイターは、主に以下5つの用途の映像を制作します。
それぞれ解説します。
最もイメージがつきやすいのは、商品やサービスを宣伝するCM動画の制作でしょう。
企業にとって大きな広報活動の1つで、他の映像制作よりも多くの労力や人員・CGなどの特別な素材の提供が発生します。
使える予算も大きく自由度も高いだけに、10~20秒という短い尺の中でどのようにインパクトを与えるか、発想力が問われる仕事です。
宣伝するという点ではCMと同じですが、より長い尺でアーティストなどの魅力を伝えられるのがプロモーションビデオです。
身近な例でいうと、新曲発売時のミュージックビデオが挙げられます。
CMより濃いファンに見られる分、アーティスト独特の世界観や曲調を表現するために、CG技術を駆使して凝った映像にすることもあります。
CM同様、もしくはCM以上に発想力が問われる仕事といえるでしょう。
SNS用は、大きく2種類に分けられます。
CM同様、「インターネット広告を用いて宣伝するための映像」とYouTubeチャンネルにコンテンツとして掲載するための映像の2つです。
SNSは小さく早く動くプラットフォームなので、予算はCMほど大きくならないケースが多いです。
その分、一定クオリティの映像をスピード感持って出し、仮説検証を行う姿勢が評価される仕事といえるでしょう。
YouTubeチャンネルにコンテンツとして掲載するための映像に近いですが、地上波などの番組用の映像制作も昔から根強く続いています。
ドキュメンタリーやバラエティなどジャンルは様々ですが、TikTokのような短尺の動画プラットフォームが受け入れられてきたからこそ、30分~60分という長尺で人を惹きつける構成が必要になります。
CG制作のように、YouTubeやTikTokではなかなか見られない演出を盛り込みながら、質が高く面白いコンテンツを生み出していく仕事といえるでしょう。
展示内容を紹介する映像や、イベントを盛り上げる目的で制作する映像もあります。
他の種類の映像よりも視聴者がしっかり見ることが前提にあるため、「わかりやすさ」「ワクワク感」など、その場の目的に合わせた演出が求められます。
ビデオ形式だけでなく、プロジェクションマッピングなどの特殊な上映方法が求められるケースもあり、空間との相性に合わせた発想力や制作力が求められる仕事です。
映像クリエイターには、以下4つのスキルが求められます。
映像制作の現場でより活躍できるよう、今から頭に入れておきましょう。
映像クリエイターは、映像に関する専門的な知識やスキルを身につけておく必要があります。
知識やスキルがあることで、求められていることを解像度高く理解し、より目的に合った演出の方法を考えられるようになるためです。
たとえば編集者の場合、「Premiere Pro」「After Effects」のような編集ソフトを。CGクリエイターであれば「Maya」「3dsMax」などのCG作成ソフトを扱うことが求められます。
動画はテキストで表現するよりも、伝えられる情報量が多いので、映像の見せ方が重要になります。その見せ方を言語化し、プレゼンする企画力やコミュニケーション力も求められます。
視聴者を飽きさせないよう、「何を」「どのように伝える」のか、柔軟な発想力をもって企画します。
映像クリエイターからプロデューサーやディレクターなどの指揮を取るキャリアを目指すのであれば、特に必要なスキルです。
映像クリエイターは、予算と納期の範囲内で最大限のパフォーマンスを求められるので、精神力が問われる職種です。
クライアントの急な要望、こだわった部分の修正依頼、演出の難易度が高い部分の調整など。イレギュラーがあってもプロとして求められること以上を完遂する、精神力、職人魂が必要だといえます。
これから映像クリエイターになろうとする方にとって、将来性ある職種なのかは重要なポイントです。
映像クリエイターが関わる市場や年収、キャリアステップもあわせて解説します。
映像クリエイターの将来性の高さは、広告事業を展開する株式会社サイバーエージェントの調査結果で需要の高さが発表されています。
調査結果によると「2021年の動画広告市場は4,195億円、昨年対比142%成長。2022年に5,457億円、2025年には1兆円規模に達すると予測」とあるほど需要の高さが予測される職種です。
引用:サイバーエージェント、2021年国内動画広告の市場調査を発表
インターネットやスマートフォンの普及から、映像を用いて広告を流している企業も多く、活躍の場はテレビ業界だけではありません。
CGを扱うことができれば3D映像やVR映像にも挑戦できるので、新しい技術を学びつつスキルアップできれば、今後も需要は尽きない職種です。
「求人ボックス」が2023年12月に発表した統計データによると、映像クリエイターの平均年収は正社員で「約342万円」です。
2023年日本の平均年収が414万円なので、年収を比較するとやや低いのがわかります。
ただし、「映像クリエイター」もピンキリで、動画のカット編集だけをやっている人もいれば、あっと驚くようなCGを制作している人もいます。
そのため、スキルアップすると600万〜800万円ほどの年収になることも珍しくありません。
スキルや経験によっては、就職先の企業規模や雇用形態など大きく変動するので、働き方次第で高収入を目指せる職種です。
参考:求人ボックス「映像制作関連の仕事の年収・時給・給料」
参考:doda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」
最初に解説したように、映像クリエイターは映像制作にかかわる職種に就くすべての人を指しています。
映像や音声を加工するような編集者のような細かな作業をメインにする職種から、現場で指揮を取るキャリア、より専門性を突き詰めるキャリアのどちらかに進むケースが多いです。
「人の心を動かす映像が作りたい」と考えたところで、映像クリエイターになるにはどうすればよいのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
映像クリエイターになるには、大きくわけて以下3つの方法があります。
映像制作のためのツールが安価で手に入るようになっており、独学するハードルは低くなりました。そのため、独学で映像制作を行い、フリーランスとしていきなり独立する人もいます。
映像クリエイターの現場では即戦力が求められるケースが多く、自分で作品をいくつも作ることが就職やお仕事の受注で有利に働くこともあります。
独学のデメリットは、どうしても学べる項目が偏ってしまうことや、変な自己流の癖がついてしまうことです。
そのため、資格を取得しながら体系的に学ぶことも1つの手です。
映像クリエイターになるには資格取得は必須ではありませんが、就職時のアピールになることもあります。
独学する場合は、以下の関連資格にもぜひ挑戦してみてください。
大学または専門学校のような高等教育機関に通うのも1つの手です。
独学と違い、体系化されたカリキュラムから効率的に学ぶことができます。
大学であれば、芸術系の学部で映像制作に触れることができるほか、映像制作に携わるサークルや研究室もあり、4年間じっくり研鑽できます。
一方で、専門学校は映像クリエイターになることに特化した機器、イベントなどの機会、人脈などが揃っており、2~3年間で集中して学ぶことができます。
映像クリエイター以外の道も模索しながら広く学ぶなら大学、映像クリエイターとして早く活躍したいなら専門学校がおすすめです。
最近はインターンシップなどで、未経験でも映像制作に携わることができる機会が増えてきました。
経験のある先輩や、会社から提供されるツールなどを使って、実践しながら学ぶことができます。
数は多くありませんが、そういった会社で下積みをしながらスキルを身につけることも1つの手です。
本記事では映像クリエイターになるには、どのような道のりがあり、何を身につけておくべきかをまとめました。
未経験から映像クリエイターになるには、早いうちから現場に近い環境で知識やスキルを磨いていく必要があります。
専門機材の使用やプロからのフィードバックを早めに受け、即戦力として活躍できる土台を身につけることが大切です。
日本電子専門学校では、いち早く現場の雰囲気に馴染めるよう、プロの現場で使用するようなハイスペックパソコンを揃えています。
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