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- 学園生活
- 2020/05/15
- グラフィックデザイン科
【新入生の皆さんへ】授業紹介「基礎デザイン演習」
新入生の皆さん こんにちは!
今回の授業紹介は「基礎デザイン演習」です。
基礎デザイン演習はデザインを勉強していく上で欠かせない造形の要素である「形、色、材質感」の中で特に「形」に重点を置き、点・線・面の3つの要素を中心にさまざまな演習を通して、身体的に学んでいく授業です。
デザインを学ぶには様々な表現方法を身につける必要があり、その表現は一本の線から始まると言っても過言ではありません。点が線になり、そして面になり、線から平面的な表現は広がって行きます。
この授業はグラフイックデザインの基礎と位置付けられる平面構成や立体構成を通して、デザインの表現力やレイアウトに関する感覚を身につけることを目的としています。
そして超アナログな授業です。
道具の紹介をしますね。道具は三角定規、直定規、筆ペン、ミリペンを使って行われます。他にも色の薄い鉛筆(尖ったもの、シャープペンでも可)、カッター、砂消しゴム、雲形定規、円プレート、楕円プレートなどがあります。三角定規、直定規、筆ペン、ミリペン、カッターはデザインの道具として皆さんに入学時に購入していただきます。それ以外は学校に用意があります。
クロッキー帳にアイデア出しを行い、それをケント紙に三角定規と直定規を使い作図していきます。コンピュータを使えば平行に線の太さもぶれることなく、いとも簡単に引くことが出来ますが、アナログでの作業だとそうは上手くいきません。ガタガタになったりジョイントが上手くいかず、はみ出してしまったりします。それをカッターの歯を弱く当てて削ったり、砂消しゴムで削って整えていきます。
まずはガイダンスで行う課題を紹介しましょう。
三角定規、直定規、ミリペン、筆ペンなどを上手く使いこなすには練習しかありません。映像を観ながら三角定規の使い方を学び、実践してみる。ガイダンス用の用紙に上から同じように線を引いてみる。ここでは名前の書き方にもこだわり、製図のような字で自分の名前を書く練習も行います。最初はなかなか慣れずに上手くいきませんが、何度か練習するうちに人はみるみる上達していきます。
全15回の授業のうち、前半は平面構成の点、線、面を学びます。例えば点は集合から拡散している様子、線は立体的に見えたり、遠近感を感じたり、または空間を感じられるような構成、面は動きを感じられるような構成を考えてみましょう。というような課題が出されます。その学年によって多少の違いはあるものの、学生はいつの時代も一生懸命に取り組みます。
エレメントを構成するための手法(リズム、緊張感、錯視、ディスコード、バランスなど)も学びます。いくつかの構成手法から2つを選びケント紙に落としていきます。
左側左:緊張感 右:バランス 右側左:リズム 右:ディスコード
数列による分割も勉強します。詳しくは授業が始まったら一緒に勉強していきましょう。
ここでは作品だけお見せしますね。数列と分割を上手く組み合わせてチェッカーフラッグを作ったり、分割したものにトーナルカラーを貼ったりし作品に仕上げていきます。
時にはタイポグラフィーの課題もあり、ゴシック体、ローマン体の2つの文字群から1文字をイラストに置き換えて文字として認識出来るようにアイデアを練る課題も組まれます。トレーシングペーパーを使いトレースしたものをケント紙に貼り、上から鉛筆で圧をかけ、トレースダウンします。トレースダウンしたアウトラインに沿ってミリペンで墨入れし、そうして出来上がったタイポグラフィーはイラストが入ってもきちんと文字として読めるようなものに仕上がっています。
最後は立体物に挑戦です。6面が全て繋がっている立方体を作ります。立方体の作図も三角定規、直定規を使い作図していきます。紙で立方体を作るのでのりしろが必要になってきます。
いかがでしたでしょうか。
これらを身体的に学び、わかることは、これからみなさんが勉強していくデジタルデザインは、アナログデザインをベースとしたアナログ感覚があって始めて実現される、構成の造形力の成果であると言えるのです。
学校が始まりましたら一緒に学んでアナログデザインを極めましょう!
次回の学科ブログ更新は5月22日(金)です。次回はインタラクティブデザイン2の授業について紹介します。